ライン川とアルザスワイン街道を走る旅2014 Day6 フランス エギスハイム

中世の町コルマール

ヨーロッパの田舎には、日本人からすると驚くほど中世の面影を色濃く残している場所があります。過去の戦禍をたまたま逃れることができたことが大きな要因であることは間違いないでしょうが、現代に至るまでの地域の開発や、環境保全の考え方、理解の違いに依る点も大きいと思います。

少し話は逸れますが、日本の中でも最も好きな場所のひとつ長崎は、数十年前までは幕末から明治にかけて建てられた洋風建築のうち、奇跡的に災禍を逃れたものが市内にそれなりに残っていたらしいですが、それらもここ何十年のうちにかなり減ってしまったそうです。

司馬遼太郎が、著書の中で日本古来の姿が消えていくことを悲しんだのは、自分が生まれる前の今から40年以上も前のこと。このアルザスの景観や風土を前にすると、日本が失ってしまったものの貴重さを実感します。

9/18は朝から曇りで、朝一番、サニタリーのコインランドリーで洗濯。レセプションでパンを買ってコーヒーで流し込み、荷物をまとめチェックアウトしました。

キャンプ場から再びEV5まで戻り、南のコルマールを目指してペダルを漕ぎ始めました。D415号線と交差するトンネルをくぐった後、一度サイクリングロードを見失いましたが、インガースハイム経由で多少回り道をしてコルマールの旧市街に到着。

ここコルマールは、ネットの情報によると宮崎駿監督の「ハウルの動く城」の舞台という話もあるだけに、昔の町並みがよく保存されています。

(写真)リクヴィールの近く
(写真)水辺が美しいコルマール この後小雨に

フランスの最も美しい村

フランスの最も美しい村」という協会があります。もとは観光促進がきっかけですが、人口が2000人以下、且つ歴史的遺跡や自然遺産があることなどの条件を満たした村のみがこの対象に認定されます。現時点でフランス国内の153の村が選ばれており、南仏のゴルドや、ここアルザスのリクヴィール、そしてこの日泊まる予定の村エギスハイムなどがそれにあたります。

コルマールの旧市街を一回りしてから、エギスハイムへと急ぎました。コルマール駅から南西方面へ伸びるエギスハイム通りというのを見つけて走ったところ、ヴェットルスハイムという村でユーロベロの看板を偶然発見。EV5に沿って走るとそのままエギスハイムの城郭の中へ入りました。

(写真)この丘の向こうがエギスハイム

このあたりから少し西側のあたりは2014年のツール・ド・フランス第9ステージのコースになったところです。

ツール・ド・フランス 2014年第9ステージ

城郭の中は車が通れないようになっており、そのせいなのか石畳の凹凸も大きいため、まずエギスハイムのすぐ西にあるキャンプ場Camping Des Trois Chateauxでチェックインを済ませて荷物を置き、シャワーを浴びてから改めて散策することにしました。村は円状になっていましたので一周しながら、隅々まで見て歩きました。

(写真)キャンプ場のレセプション

キャンプ場のレセプションでチェックインし、テントを張ってからシャワーへ。テントはタープは必要ありませんでした。小テーブルにビールを置き、チェアに腰掛けて本(Kindle)を読む、至福の時間。

(写真)村の中の路地を散策中
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(写真)中心にある広場 どこに行っても花が植えてあります

夕食はレストランで食べようと思っていたので、ツーリストインフォメーションで伝統的な料理をお薦めのレストランを聞いたところ、オーベルジュ デ トロワ シャトー(Auberge des Trois Châteaux)を紹介してもらい、夜に出直して素朴な料理にワインを楽しみました。

(写真)レストラン
(写真)アルザスの郷土料理シュークルートに白ワイン

食後は村の中を散策しながらテントに戻りました。夜中にちょっとした雨音と雷鳴が。アルザスも秋らしい涼やかな空気に変わったようです。アルザスもこの日が最終日となります。