ライン川とアルザスワイン街道を走る旅2014 Day5 フランス リボーヴィレ

ドイツとフランスの国境にあって、常に領土争いの舞台になってきたアルザス。そこはドイツでもなく、フランスでもないヴォージュ山脈、東のライン川に挟まれた丘陵地帯でした。

アルザスのワイン街道

9月17日朝、テントから頭を出すと濃い霧。前日スーパーで買って食べ切れなかったパンを頬張り、バーナーで沸かしたコーヒーを飲みながらこの日走るルートのことをあれこれ考えることに。アルザスのワイン街道沿いの村々を巡って南へ進んで、リボーヴィレかリクヴィルどちらかに行くのは決めていたんですけど、走るルートがはっきり分かっていない。

が、あれこれ考えてもしょうがないし、コンパスを見ながら南にいけば大丈夫だろうくらいのアバウトさで出発することにしました。(ただし、何回も道に迷ったこの日の経験がもとでマップは必須と痛感→後年ガーミンを買うきっかけに)

「もう出るのかい? あいにく曇りだけど。The sunshine is waiting for you.」

前日到着したばかりの時、よく来たね〜と写真を撮ってくれた老夫婦が、お隣のキャンピングカーから声をかけてくれたので、手を振ってお別れ。

道順は、キャンプ場のレセプションで入手した縮尺の大きいサイクリング用の地図だけが頼りで、霧が晴れる前にキャンプ場を出たので視界不良の中、この地図と所々に立つ道路標識を手がかりに、まずはGoxwiller(ゴックヴィラー)まで走りました。

(写真)少し霧が晴れてきた。ゴックヴィラーへ。

ゴックヴィラーを通るローカル線踏切を過ぎてからは、畑のど真ん中に放り込まれたせいで、どこをどの方向に向かっているのかよく分からず、しかもiPhoneでGoogleマップを見てもGPSが全然違う場所いることになっていて使い物にならないw

いつかはどこかに着くだろうとペダルを漕いでいると、少しずつ霧が晴れてきて、遠くにヴォーグ山脈が見えてきたあたりで、やっとD35号線、通称ワイン街道に合流、少し先にBarr(バール)という村がありました!

立ち寄ってはいないですけど、道沿いのワイナリーらしき建物が目に入ってきます。そう、今走っているのはアルザスのワイン街道、103の村々を170kmに渡って伸びる街道で、名前が示す通りワインの一大生産地です。

試飲や見学の誘惑を振り切って村の中心に行くと、なんとここで偶然EuroVelo5の立て看板を見つけました! 後から調べて知ったんですけど、前日泊まったオベルネのすぐ近くをEuroVelo5が通っていたみたい。

(写真)バール

バールの中心にEuroVelo5の看板

バールの入り組んだ道で多少迷いながらもワイン街道をさらに南に進み、修道院で栄えた村Eichhoffen(エイコフェン)を抜けたあたりからは見渡す限りのぶどう畑が目の前に広がります。

エイコフェンの近く。迷わないよう、ちょうどいい間隔でEuroVelo5の看板が立っています。

(写真)木陰で一休み

ドイツはすでに秋の気配でしたが、アルザスは晩夏という感じで、夏の晴れやかな空が広がっていて、走っていなくても陽を浴びると汗が出るくらい。

ぶどう畑の中の村 リボーヴィレへ

アルザスは、ライン川上流のオー・ラン県、下流のバ・ラン県に二分されていて、オー・ラン県のコルマール方面に向かって走っているところ。走っても走っても、どこまでも続くぶどう畑。ちょうどこの時期はぶどうの収穫が始まったばかりの時期らしく、行く先々の農道で収穫作業に出くわします。

この辺まで来ると、右手にオー・クニクスブール城を見ながら走ります。約750mの山の上にあるので、だいたいどこにいても見えるアルザスのランドマーク。17世紀にはスウェーデン軍に放火されて焼け落ちたというんだから、昔から戦乱の舞台になってきたんだから、なんと波乱に満ちた地域なのか。

(写真)イッタースヴィラー

この日は、覚えているだけで下の11の村を伝って走りました。どこも木組みの家に囲まれるように教会があって、中世の趣があります。フランスは地方によって全然雰囲気が変わるのが面白い。

イッタースヴィラー
ノータルタン
ブリエンシュヴィラー
ダンバッハ・ラ・ヴィル
シャーヴィラー
シャトノワ
キンツハイム
オルシュヴィラー
サンティポリット
ロルシュヴィラ
ベルクハイム

ベルクハイムを通過した後、EuroVelo5を西に折れてこの日泊まろうと思っていた場所の一つ、リボーヴィレへ向かいました。ここにCamping Pierre de Coubertinというキャンプ場があって、一杯で泊まれないなんてことにならないように、早めにチェックインを済ませることに。レセプションで手続きした後は早速芝生のキャンプサイトにテントを張りました。

(写真)ベルクハイム付近

ランチを食べずに走ってきたので、シャワーを浴びた後すぐに買い出しへ。近くに大きいスーパーマーケットがあったので便利でした。ついでにディレイラーの調子が良くなかったので近くのバイクショップで調整も済ませ、帰ってからはテントの前で調達したソーセージをクッカーで焼き、ビールとワインを飲みながらゴロンゴロンしていたらあっという間に夜。迷いながら距離を走ったせいか、その後は快眠でした。

到着後テント前で。ワインにビールに生ハムにアップルジュースにパンにヨーグルト。たくさん買ってきました。

スーパーマーケットのソーセージコーナーにはいろんな種類があって、どれにするか悩むくらいですが、小さめにカットしてあるものを買い、クッカーで焼いて夕食にしました。

アルザス地方でキャンプ場を選ぶ際に参考にしたサイト