輪行でフランスアルザスへ
スケジュールを立てる時に一番悩んだのが、マインツからバーゼルの間約3百数十kmをどうするかでした。最初はEuroVelo15のライン川ルートに沿ってマインツから全て自転車で走るつもりでいたのですが、アルザスワインの産地の景色が中々頭から離れず、結局ライン川から一旦横道に逸れワイン街道を走るルートを選び、後日スイスに入る点と、このあたりのキャンプ場の場所を考慮して、オベルネという小さい村まで鉄道で行くことにしました。
情報も中々得られず細かいルートも決めないまま行ったのですが、実は翌日の5日目に直接走るまでEuroVelo5がアルザスを通っていることさえ知らない状態で、バールという町の中に突然EuroVelo5の立て看板を見つけた時はさすがに一人興奮しました(笑)。
前夜22:00には寝たため、9月16日の朝も夜明け前に眼が覚めました。リューデスハイムキャンプ場周辺を散歩後、7:00にレセプションが開いたので朝食用にパンと桃のヨーグルトを購入。ヨーロッパのキャンプ場の多くがそうであるように、このキャンプ場でも夜はビールを頼むことができますし、朝はパン、ハムなどの食材を入手することができます。お国柄なのか、前夜は老若男女問わずレセプションやベンチでビールのジョッキを手にする人が多たくさんいました。
コーヒーで一服した後、コインランドリーで洗濯したり、テントを畳んだり、お隣さんと会話したりしていたらあっという間に出発の時間になりました。今日は日程の都合上、輪行で一気にライン川を遡り、フランスのアルザス地方に入る予定です。日が暮れる前にキャンプ場に到着したいため、リューデスハイム9:53発の電車でまずはマインツに向かいました。
チケット売り場で確認すると、リューデスハイムからマインツに行くにはヴィースバーデンという駅で乗り換えが必要だとのことです。その場でストラスブール行きの切符を買い、ホームに入ってきたローカル線の電車に乗り込み、しばらく車窓を眺めていたのですが、乗り換えが面倒になってきたため、隣に座っていたお兄さんにマインツへ早く行けないか聞いたところ、「この電車はマインツカステル駅に止まるので、自転車ならマインツ駅までは10分で行けるよ」と教えてくれました。
それならということで、その通りヴィースバーデンを通過してマインツカステル駅まで行きました。ここはマインツ市街地からライン川を挟んでちょうど反対側にあたり、駅から少し北に戻り、橋を渡ればマインツは近そうです。
橋を渡ってから多少道に迷いましたが、町の中心方向へ走ったところ15分くらいで駅前の広場に到着。いい時間の電車があればストラスブール行の列車も時間を変更してもらおうと思いましたが、どうもにも中途半端な時間となってしまったので、結局購入した切符通り、12時過ぎにマインツ発の電車に乗ることにしました。しばらく駅前や駅近くをぶらぶらして時間を潰した後、電車に乗りました。ランチは駅中で買っておいたサラミが挟まったパンを席で頬張りました。
マインツ駅2階のコンコース。エレベーターでロードバイクをホームまで下ろします。ドイツはさすがに鉄道と自転車の大国。駅のコンコースもホームも車両もどこでも自転車を持ち込めます。
ホームに下りて自転車を載せられる車両を探して乗り込みます。
自転車マークがついた車両の中。そのまま乗り込むことができるので、輪行が楽です。
列車はマインツを出た後はライン川沿いに南下し、マンハイム、カールスルーエ経由、アッペンヴァイラーという町で別の路線に乗り換え、15時半過ぎにアルザスの中心都市、ストラスブールに到着しました。途中の駅では扉が開くとセミの鳴き声が聞こえました。ヨーロッパの夏の終わりです。
夜はオベルネという小さい村のキャンプ場に泊まる予定で、予約もしていなかったので早めに着いたほうがいいだろうと思い、ストラスブールの観光は諦め、すぐにローカル線に乗りました。
アルザスの村オベルネへ
ストラスブールからオベルネまでは電車で30分もかかりません。小さな駅に降り立つと、フランスの田舎らしいドイツとはまた違う雰囲気を感じました。キャンプ場はCamping Municipal Le Vallon de l’Ehnといい、駅からちょっと離れたところにあるので手元の地図を確認しながら村の中心を通ってキャンプ場へ。チェックイン時に場所を指定されますので、教えられた通りの所でテントを張り一息つきました。
ここへ来るまでにメインストリートのほとんどが石畳でボコボコと跳ね、パンクしないかとひやひやしましたが大丈夫だったようです。旅行直前にタイヤを25Cに変えたのがよかったのか、今回の旅では一度もパンクしませんでした。
だんだんテントを張るのが上手になってきたと思います。ドイツと違って土が乾いており固めでペグを刺すにも多少力がいります。
走った後はまずシャワーでさっぱりし、その後買い出しというのがルーティーン。この村にはスーパーマーケットがいくつかあるようで、レセプションで場所を教えてもらい、一番近い店に買い出しに出たのですが、この日はついでに少し早めの夕食も済ませることにしました。
先ほど通ったメインストリートへ向かい、良さそうなレストラン(=お客がたくさん入っていそうな店)を探し、入って赤ワインとおすすめのローカルフードを頼みました。白ワインも飲み、ほろ酔いです。
村の中央にある広場に面するレストラン。仕事帰りと思われる地元の人がみんな入っていくのを見て、そこへ入りました。
このあたりの伝統的な食事。この後続けて白ワインも飲みました。
石畳の道と木組みの建物がフランスとドイツの国境を彷彿とさせ、すばらしい雰囲気を醸し出しています。
アルザスの澄んだ空気に包まれ、気持ちのいい夜風にあたって夜はまたまた熟睡することができました。アルザスという土地がそう思わせるのか、テント泊というのはなんと開放的なんでしょうか。明日はいよいよアルザスを走ります!