イギリスの田舎を走る旅2017 Day2 バーフォード

静かな佇まいの町、バーフォードへ

ボートン=オン=ザ=ウォーターを流れるウィンドラッシュ川を下流へ下った場所に、コッツウォルズの観光案内で必ずといっていいほど出て来る人気の町、バーフォードがあります。

フォーブス誌のEuropean’s Most Idyllic Places To Live(言ってみればヨーロッパ版住みたい町ランキング)で、ローマやブダペストを抑えて6位に入ったことも。バーフォード(Burford)も、アングロサクソン時代にできた町で、この名前は古英語で「川のほとりの要塞」という意味。fordはストラトフォード=アポン=エイヴォンもそうでしたが、歩いて渡れる川の浅瀬のような場所を表します。

ボートン=オン=ザ=ウォーターの町から出た途端、のどかな景色が戻ってきました。

雨は降らなくとも、冷たくて強い向かい風を受けながらのライド。早く着かないかなぁと願いながら牧草地や山を走り続けていると、突然町に出ました。

(写真)さっきまで誰も通らないような道を走っていたのに突然バーフォードに

この道を突っ切るとバーフォードのメインストリートに出ました。

写真では分かりにくいですが、ここから道が下っていて、その先にボートンから流れてきているウィンドラッシュ川があります。道路の両脇には色んなショップが軒を連ねていて賑やかな印象。

少し中に入ると、少し色あせたハニーストーンの建物が並んだ静か場所に。チッピングカムデンに比べるとだいぶ落ち着いたトーンの蜂蜜色です。

(写真)メインストリートから少し入るだけで静かな環境に
(写真)どんな町や村にもホテルやB&Bはあります

ローマ街道Akeman Street

もう少しバーフォードを散策をしたい気持ちもありましたけど、体が冷えていたので、早くこの日止まる予定のホテルに行こうと、早々にバーフォードを後にしました。

(写真)バーフォードを出ると天気が急回復

寒いけどいい天気。この丘陵地帯の北部に比べると、地形が多少緩やかになってきている印象です。

(写真)バーフォードの少し南にあるHolwellという小さな村

Holwellの村から農道に入りました。ちょうどこの道を走っているとき、脇の草地をさささ〜っと走る野生のウサギを目にしました。写真を撮ろうと追いましたが、動きが機敏でダメでした。が、ここも木と、その葉と、風と鳥と動物の鳴き声、そして自分の自転車の音以外、何も聞こえない最高の場所です。

(写真)シクロなのでここも安心して走れました

この農道を抜けて、この日の宿泊地バイブリーに向けて西に向かうと、Fosse wayとは違う別のローマ街道に出くわします。道路の名前はAkeman Street。Akemanとは、アングロサクソンの言葉でOak-manが語源という説もあれば、バイブリーのさらに先にあるBathのアングロサクソン時代の呼び名Acemannes(ローマ時代のAquae Sulisから派生)が由来という説もありますが、いずれにせよ、この道路はローマ時代の幹線で、ロンドンから北にあるセント・オールバンズとサイレンセスターを結ぶ道でした。昔はここをテムズ川から陸揚げされたローマ軍団の兵士や馬車、郵便配達人が頻繁に行き来していたに違いない。

(写真)Akeman Street

Akeman Streetを走っていると、左手に菜の花畑が。

コッツウォルズを旅行する人のほとんどは、カントリーサイドの景色を求めて来るんだと思いますけど、決してそれだけじゃなく、少し横道に逸れてみると、はるか昔の、イギリスがまだ古代のローマとアングロサクソンの時代だった頃の名残や痕跡に至る所で出くわします。