トップ・オブ・ヨーロッパ
今回の旅行の最後は自転車をお休みし、スイスの山々の素晴らしい眺望を少しだけ楽しむことにしました。まず目指すのはアイガー、ユングフラウ、メンヒのユングフラウ三山の峰々で、インターラーケンからグリンデルワルト駅、クライネシャディック駅を経由して、ヨーロッパで最も高い場所にあるユングフラウ鉄道の駅、ユングフラウヨッホまで上りました。
ユングフラウ鉄道の切符を買う際、乗車を証明するパスポートをもらえます。と言ってもただの冊子ですが、この中にユングフラウ鉄道開発の歴史とともに、アイガー北壁の登攀で起きたこれまでの遭難事故などについても触れられています。
目の前に圧倒的なスケールで迫るアイガー北壁の初登頂は1938年のことですが、その2年前に起きたドイツ隊とオーシトリア隊の身に起きた遭難事故について、「アイガー北壁」という2008年のドイツ映画で映像化されています。手元にDVDまであるのですが、この結末を知ってしまっただけに、若くして散った命のことを思うと最後まで観ることが未だにできません。
インターラーケンオスト駅へ走る途中。こちら側は由緒あるホテルが立ち並ぶエリアです。
前日と同じ路線でインターラーケンからグリンデルワルトへ移動。グリンデルワルトで先にホテルのチェックインを済ませて自転車を預け、その足でグリンデルワルトの駅へ。この時期はすでに夜中の気温が東京の真冬以上に下がるとのことだったのでテントや止めてホテル宿泊としました。
車窓から見るアルプスの風景。初めてのスイスでしたが思い描いていた通りの景色です。余談ですが、これまで一人の日本人にも会うことがありませんでしたが、グリンデルワルトに着いた途端、多くの日本人旅行者の方を目にしました。
アイガー山中に掘られたトンネルをゆっくり進みますが、途中アイガー北壁をくり抜いた場所で一時停車し列車から降りてグリンデルワルトを真下に見下ろすことができます。ガラス越しの一枚。こんな絶壁を登ろうとするのはやはり常人じゃないですね。
ユングフラウ駅について外に出ると雪と氷河の世界。ここはスフィンクス展望台。
もともとヨーロッパの鉄道はイギリスから産業を支えるインフラとして敷かれたのが鉄道網が拡がるきっかけでしたが、このユングフラウ鉄道は最初から観光目的での路線敷設だったようで、20世紀初頭にこのようなものが開通していたのはちょっとした驚きでした。鉄道パスを持っていなかったので往復で定価の200スイスフランです。
アイガー北壁
ベルリンオリンピック前の1936年、国威高揚のために登頂成功者には金メダル授与が予定されていましたが、絶壁に登る挑戦者側と麓のホテルで見守る授与側の対比でシーンが進んでいきます。
旅の最後はフィルストへ
麓に戻った後はグリンデルワルト駅を挟んでアイガーの反対にあたるフィルストで少しだけトレッキングです。時間があればもっと滞在して付近の山をくまなく歩きたいのですが、残念ながらたった数時間。でも、このためにトレッキングシューズを履いてサイクリングをしてきたかいがありました。
雲の中を歩き続けます。
最終のリフトに乗るため乗り場へ引き返しました。せめてもう1日あれば。
リフトの窓を開けると牛や羊に付けられた鈴のからんからんとした音が鳴り響きます。この山腹は写真のようなルートが張り巡らされており、MTBで上から下ってくるライダーも多くみました。途中途中のリフト乗り場にはレンタルバイクもあります。さすがに登るのは無理かな。
泊まったのはHotel Lauberhorn。ホテルのホームページにもあるのですが自転車置き場、洗車設備、簡単な工房、ガーミンのGPSの貸し出しサービスもあって、自転車乗り向けのホテルです。また、駅からはちょっと離れていますが、宿泊者はバス用のパスがもらえるので、バスは無料で乗ることができます。